AI社員で回す会社講座

区分1 AIが動ける土台をつくる★★★

No.02 会社の情報を1か所に集める

AIに仕事を任せるには、ゴールや今の状況が1か所にそろっている必要があります。何を集めて、どう使い、どう戻すかを学びます。後の単元すべての土台なので、ゆっくり読み進めてください。
目次
  1. 第0章 前提知識
  2. 第1章 なぜ、1か所なのか
  3. 第2章 何を集めるか
  4. 第3章 読んで、動いて、戻す
  5. 第4章 やってみよう
  6. 確認問題

第0章 前提知識

① 「1か所」とは :ゴールと今の状況を書いて、AIが読める場所

No.01で、「ゴールと今の状況がそろえばAIは自分で動ける」と学びました。 この単元は、その2つを実際に置く場所の話です。

この講座で「1か所」と呼ぶのは、次の3つの条件をすべて満たす場所のことです。

具体的な物は、何でも構いません。 紙1枚(AIには、写真やコピーを渡して読ませます)、表計算(スプレッドシート)、メモアプリ、ゴール管理ツールのどれでも、3つの条件を満たせば「1か所」です。 動画ではゴール管理ツール(Addness)を使っていますが、最初は表計算1枚でも始められます。

今の状況とは、コンテキスト(AIが前提として知っておく今の状況)のことです。 たとえば、仕事の進み具合、お客さんとのやり取り、売上の数字、誰が何をしているか、などです。 動画では、これを今の状況(動画ではステートとも呼ぶ)としてまとめています。

この講座では、ゴールと今の状況を、この「1か所」に置いて、AIが毎回そこから読む形を目指します。

② AIは毎回「初めまして」から始まる :だから外に置く 必ず覚える

みかみさん(発信者)は、動画でこう説明しています。 AIとの会話を新しく始めるたびに、AIは「初めまして」の状態です。 同じ会話の中でも、覚えていられる量には限りがあり、前の方は忘れていきます。

だから、こちらが毎回「今こういう状況で、こういう仕事で」と説明し直すことになります。 それは面倒ですし、説明の抜けも出ます。 そこで、「会社の脳みそ」を、AIの外に作っておく、というのがみかみさんの考えです。 AIは起動した瞬間に、そこを読んで、今の状況を知ります。

Claude Codeの公式の説明でも、会話(セッション)は毎回、新しい状態から始まるとされています。 会話をまたいで知識を残す仕組みとして、指示を書いておくファイル(CLAUDE.md)と、AIが自分で書くメモ(自動メモリ)が用意されています。 この2つの話は、No.03で扱います。

③ 似た言葉との違い

この単元で扱うのは1つ目です。 2つ目との違いは、第2章で見ます。

○ ツールの情報:2026-11-05時点で公式ページで確認しました。Claude Codeは、CLAUDE.mdと自動メモリを、会話の始めに読み込む(https://code.claude.com/docs/en/memory)。Obsidianは、メモをパソコン上のMarkdownファイル(ふつうの文字だけのファイル)として保存する(https://obsidian.md/)
○ 動画ではAddness(みかみさんの会社のゴール管理ツール)を使っています。ゴールとタスクと今の状況を1か所で管理できるツールなら、考え方は同じです。この講座では、特定のツールを前提にしません

第1章 なぜ、1か所なのか

① 個人の頭でAIを使うと、個人止まりになる 必ず覚える

みかみさんは、AIの使い方に段階があると言います。 最初の段階は、自分のAI(Claude Code)に、いろいろなツールをつないで話しかける使い方です。 これで個人の仕事は進みます。

ただし、これは「個人の頭」でAIを使っている状態です。 自分のAIは、ほかの人が何をしているかを知りません。 だから、案件の状況を知りたい時は、結局その人に聞きに行くことになります。

AI同士が、つながっていないわけです。 みかみさんの提案は、個人の頭ではなく、会社の頭にAIをつなぐことでした。 全員のAIが、同じ「今の状況」を読めば、聞きに行く手間が減ります。

たとえば、家族経営で複数の事業を回しているなら(訪問介護、ダンススタジオ、Kindle出版、コンテンツ販売など)、 事業が違うと、状況の見え方もばらばらになりがちです。 1か所にまとめる意味は、ここにあります。

② チャットやメモだけでは、全体が見えない

みかみさんは、動画でこう言っています。 Slack(仕事用チャット)やLINEは、やり取りがどんどん積み上がります。 でも、全体像は見えません。しかも、見えるのは自分の分だけです。 他の人のカレンダーやメールを、自分のAIにつなぐわけにもいきません。

つまり、連絡手段は「やり取りの記録」であって、「今の状況の一覧」ではありません。 AIに読ませたいのは、後者です。

③ 1か所にあれば、AIが自分で取りに行ける

みかみさんが見せた実演では、AIに仕事を一言頼んだだけでした。 その日の予定や、関係する人のことは、伝えていません。 それでもAIは、1か所の情報を読んで、状況を理解した上で動き始めました。

みかみさんは、これを「AIに聞くのではなく、AIが働く」と表現しています。 普通のAI活用は、毎回こちらが状況を説明して、答えをもらうやり方です。 1か所に置いておけば、AIが目標と経緯を自分で読みに行けます。 人がやるのは、理想(ゴール)を決めることと、判断することの2つ、というのが動画の整理です。

○ 関係する単元:No.01(ゴールと今の状況)。ここで学ぶのは、今の状況の「置き場」の方です
○ 動画の中の、セットアップの手順や配布物の細かい話は、この単元では扱いません

第2章 何を集めるか

① 動画が挙げた「今の状況」の中身 必ず覚える

みかみさんは、1か所に持たせる今の状況を、次のように並べています。

この7つは、動画で挙げられた全体の姿です。全部を一度に集める必要はありません。 最初は、自分で分かる物から集めます。ゴール、進み具合、お客さんとの状況、数字の4つです。 そのなかでも、AIが判断に困るものを先にします。

「人の状況」や「空き時間」は、他の人のカレンダーやメールを自分のAIにつなぐわけにはいかない、とみかみさんも言っています。 そこで、この講座では次のように整理します。他の人の分は、AIにつなぐのではなく、その人が1か所に書いた分だけを読む形にします。ひとりで進める間は、後回しで構いません。

たとえば、Kindle出版なら、原稿の進み具合と、次の締め切りです。 コンテンツ販売なら、購入者の人数の動きと、次の配信の予定です。 訪問介護なら、シフトの空きと、連絡の行き違いです。

② 集めるのは「今」。古いものは奥へしまう 必ず覚える

みかみさんは、メモをためるツールを「図鑑」にたとえています。 情報を詰め込んでも、使えなければ知恵にはならない、という話です。 さらに、メモは放っておくと古くなります。 1か月前に作ったメモは、もう使えなくなっていて、毎日整理しないと腐る、と説明しています。

欲しいのは、メモの山ではなく、「今、仕事がどうなっているか」です。 動画では、終わったタスクの情報は「終わったもの」として奥へ下がり、必要になれば取り出せる、という作りだと説明されています。 今の状況としては大事ではないので、普段は見なくて済みます。

ここで大事なのは、ツール名ではなく、考え方です。 「ためる」のではなく、「今を保つ」。 終わったことは、消すのではなく、見えない所へ移します。

なお、みかみさんは、複数のAIの動きを1画面で見るアプリや、メモアプリのObsidianは、この講座の段階では要らない、という立場です。 突き詰めた人だけが使えばよく、まずはClaude Codeだけで十分、というのがみかみさんの考えです。 Obsidianは、公式ではメモをMarkdownファイルとして、パソコン上に保存するアプリと説明されています。 動画では、メモを見やすく並べる役割にとどまり、今の状況を保つ仕組みとは別のもの、と整理されています。

③ 人の関係も、状況に入れる

今の状況には、お金や進み具合だけでなく、人の関係も入ります。 誰に頼むのか、誰が決めるのか。それが分からないと、AIは誰に確認すればよいか決められません。

動画の中では、AIが分からないことを、本人以外の人に聞きたくなる場面が語られています。 動画で使っているツール(Addness)の例では、その時、AIが1か所に質問を書きます。 相手に通知が届き、返事が書かれると、その返事をきっかけにAIがまた動き始めます。 本人の知らない間に確認が進む、という使い方です。

通知や自動で再開する仕組みのツールが無い場合は、手で代わりをします。 たとえば、AIが質問を1か所に書いて止まります。あなたが(または聞いた相手が)答えを書いてから、AIに「続けて」と頼みます。 再開の合図を人が出す、という違いだけで、流れは同じです。

家族経営なら、「誰に聞けばよいか」をメモしておくだけでも、状況の一部になります。

○ よくある勘違い:「集める=全部入れる」ではありません。AIが動くために要るものだけ、まず入れます
○ 利用者さんの情報をAIに入れる時は、名前など本人が分かる所を伏せます。1か所に置くのは、事業の状況であって、利用者さん一人ひとりの記録の中身ではありません

第3章 読んで、動いて、戻す

① 1回の依頼の流れ 必ず覚える

みかみさんの説明では、1回の仕事は、次の順番で進みます。

  1. 人が話しかける
  2. AIが、ルールと記憶を読む
  3. AIが、1か所から今の状況を取ってくる
  4. AIが作業する
  5. 結果を、1か所に戻す

2番の「ルールと記憶」を、ここで一言だけ説明します。 ルールは、AIが毎回守る決まりを書いたファイルです(Claude CodeではCLAUDE.mdがこれにあたります)。 記憶は、AIが前の会話から残しておくメモです。 どちらも、AIの動き方の決まりやメモです。変わっていく仕事の「今の状況」とは別の物で、今の状況の置き場は、3番の「1か所」の方です。 第2章②の「ためるより今を保つ」は、この今の状況の話です。ルールと記憶の詳しい作り方は、No.03で扱います。

最後の「戻す」が、大事です。 結果が戻るから、1か所の情報が、いつも最新に保たれます。 次にAIが起動した時も、その最新を読めます。

動画では、結果がゴールに残るので、誰でも続きから再開できる、とも説明されています。 会話が終わると全部消える、という普通のAI活用との違いです。

② 頼んだことが、分からなくならない

動画には、実際にこの仕組みを使った人の感想があります。 今までは、チャットで頼んだ仕事が終わったかどうか、分からなくなることがあった。 待ち時間に別の仕事を始めると、頼んだことを忘れてしまう。 それが、今回はなかった、という話です。

つまり、1か所に集めると、人の「覚えておく負担」も減ります。 AIのためだけでなく、あなた自身のためにもなります。

③ 本人にしかできない所は、人に返す

AIは何でも勝手に進めるわけではありません。 分からないことが出たら、止まって聞きます。 聞く相手は、あなたのこともあれば、他の人のこともあります。 返事が来たら、そこから続けます。

この「止まって待つ」と「返事で再開する」があるから、AIに仕事を任せても安心できます。 任せた後に、あなたの頭に残るのは、「決めること」だけになります。

AIは毎回「初めまして」から始まる。だから、ゴールと今の状況を1か所に置き、AIが読んで、作業して、結果を戻す形にする。集めるのは「今」で、まず、AIが判断に困るものから。

第4章 やってみよう

10分で、自分の事業を1つ選んで、次の表を書きます。 完璧でなくて構いません。分からない所は「不明」と書きます。

知りたいこと 今どこにある? 1か所にまとめる?
事業のゴール(いつまでに、どうなっていたいか) 頭の中/メモ/別
進み具合(今どこまで終わっているか)
お客さん・生徒さん・読者との状況
数字(売上・人数など)
次に誰に何を頼むか/誰に聞くか

例:ダンススタジオなら、生徒さんの体験申込の状況は、LINEのやり取りの中にあるかもしれません。 その場合は「今どこにある?」の欄に「LINE」と書き、「1か所にまとめる?」の欄に「申込の人数だけ、別に表にする」と書きます。

書き終えたら、「AIが毎回聞いてくることは何か」を1つ書き足します。 それが、いちばん先に1か所へ入れる情報です。

訪問介護を選ぶ時は、利用者さんの名前など、本人が分かる情報は書かないでください。シフトの空きや、連絡の流れだけで、十分です。

この表は、卒業課題の(1)「ゴールと今の状況を1か所に書き出す」の、最初の下書きになります。

確認問題

問1 AIに「今月の原稿の進み具合を見て、次にやることを決めて」と頼むと、毎回「今どこまで進んでいますか」と聞き返されます。本文の考え方で、まず取るべき対応はどれですか。

問2 「1か所に集める」ことについて、本文の説明として正しいものはどれですか。

問3 AIが仕事を進める中で、本人以外の人に確認したいことが出ました。本文の流れに合う動き方はどれですか。

出典:みかみ『【脱初心者】AIツールを増やす前に、この環境を作ってください。年商30億AI企業社長がガチで実務で使ってるAIの環境設定を公開!』(YouTube, 2026-10-04, https://www.youtube.com/watch?v=A65khoG3x1c) 出典:みかみ『緊急開催|未経験から、たった3日でプロ級AIコンサルになる!? AGI構築 & 本質のAIコンサル完全攻略セミナー』(YouTube, 2026-09-27, https://www.youtube.com/watch?v=J8SS9GHnA8I)