AI社員で回す会社講座

区分1 AIが動ける土台をつくる★★

No.03 AIの環境を層で整える

AIの環境を、6つの層に分けて見る回です。ツールを増やす前に、この層を整えるのが先、という考え方を学びます。卒業課題(2)の点検表の元になる回です。
目次
  1. 第0章 前提知識
  2. 第1章 ツールを増やす前に、環境を作る
  3. 第2章 AIまわりの3つの層
  4. 第3章 場所と記憶の3つの層
  5. 第4章 層をまたいで、1回の依頼が動く
  6. 第5章 やってみよう
  7. 確認問題

第0章 前提知識

① 環境と層 :AIが働く周りを、役割ごとに分けて見る

環境とは、AIが仕事をする時の「周りの整え方」のことです。 どのAIを使うか、どこで動かすか、何を読ませるか、どこにつなぐか。それらをまとめて環境と呼びます。

層とは、その環境を役割ごとに分けた段のことです。 みかみさん(発信者)は、自分の環境を6つの層で説明しています。 分けて見ると、「今どこが足りないか」が分かります。

② 言葉の整理

この単元では、次の言葉が出てきます。

どれも、深く知る必要はありません。層の名前と、役割が分かれば十分です。

③ 先に伝えておくこと

層の中身は、動画の時点の話です。 ツールの機能は変わるので、細かい名前よりも、層という分け方の方を覚えてください。

○ ツールの情報:2026-11-05時点で公式ページで確認しました。Claude Codeは、ターミナル・エディタ・デスクトップアプリ・ブラウザで使え、CLAUDE.mdを毎セッションの始めに読む。スキル・フック・MCPの説明も上のとおり(https://code.claude.com/docs/en/overview)。Claude Codeは、CLAUDE.mdの代わりにAGENTS.mdを読むこともできる(https://code.claude.com/docs/en/memory)。CodexはAGENTS.mdを、作業の前に読む指示ファイルとして使う(https://learn.chatgpt.com/docs/agent-configuration/agents-md)。Obsidianは、メモをパソコン上のMarkdownファイルとして保存するアプリ(https://obsidian.md/)
○ 関係する単元:No.02(今の状況を1か所に集める)。6つのうち「ステート層」は、No.02の内容です

第1章 ツールを増やす前に、環境を作る

① 好きな人ほど、無駄をしている 必ず覚える

みかみさんは、最初にこう言います。 AIが好きな人ほど、無駄なことをしている、と。

新しいツールは面白く、飛びつきたくなります。 でもそれは、料理にたとえると、包丁や皿にこだわるようなものです。 大事なのは、おいしいご飯を作ること。サッカーなら、スパイクにこだわる前に、まず走ること。 動画では、そのようなたとえで説明されています。

ツールにこだわること自体が悪い、という話ではありません。 突き詰めた人だけがやればよい、というのがみかみさんの立場です。

② 順番:まず1つを使い切る 必ず覚える

では、何から始めればよいのでしょうか。 みかみさんの答えは、はっきりしています。 まず、Claude CodeやCodexのデスクトップアプリを、完璧に使える状況にします。 その上で、「もっと軽いツールはないかな」と思った時に、初めて探せばよい、と言います。

環境作りは、シンプルにする。これが一番大事、というのが動画の主張です。

みかみさん自身の環境は、スキルが5個もないそうです。 環境をしっかり作れば、スキルの数は、あまり要らないことになります。

③ 入り口は1つにする

複数のAIや、複数のツールを、同時に動かして見る方法もあります。 動画では、これを「エージェントをたくさん使い分ける」やり方として、紹介しています。 みかみさんは、これには意味を感じない、と言います。

理由は、シンプルではないので、疲れて続かなくなるからです。 みかみさんは、入り口をClaude Code1つにして、その下は、AIが自分で使い分ける形にしている、と説明しています。 人が見るのは、入り口の1つだけです。

あなたの環境でも、同じです。 まず、毎日話しかける入り口を、1つに決めます。

○ よくある勘違い:「いろいろなツールを入れた方が、環境が整う」ではありません。整えるのは、層です
○ 動画には、複数のAIの動きを1画面で見るアプリや、メモアプリへの意見も出てきます。この単元では、層の考え方に絞るため、深く扱いません

第2章 AIまわりの3つの層

① エージェント層 :どのツールで動かすか 必ず覚える

エージェント層は、「どのAIツールを使うか」です。 Claude Code、Codexなどがここに入ります。 エージェントには、システムプロンプト(そのツールに最初から入っている基本の指示)が入っています。

みかみさんは、Claude CodeとCodexを使い分けています。 細かく長くきっちりやってほしい時は、Codexに任せる、と話しています。

② モデル層 :どのAI本体を使うか さらっと

モデル層は、「どのモデルを使うか」です。 同じエージェントでも、選ぶモデルで、動きが変わります。

みかみさんは、「何を使ってもよいが、うまくバランスを取って」と言います。 重い仕事をしない人は、なるべく軽いモデルを使う方がよい、とも話しています。

プロジェクトの切り替えなど、判断が要る役は、性能の高いモデルに任せます。 実際の作業は、軽いモデルでもよい、という分け方です。 モデルの名前や性能は変わるので、この講座では名前を挙げません。

③ ツール層 :何とつながっているか さらっと

ツール層は、AIが何とつながっているかです。 動画では、次のようなものが挙がっています。

つながり先が多いほど、AIができることが増えます。 ただし、増やす順番は、第1章のとおり、まず1つを使い切ってからです。

第3章 場所と記憶の3つの層

① 作業場の層 :どこで動かすか 必ず覚える

作業場の層は、「AIがどのフォルダで、どこで動くか」です。 自分のパソコンで動かす場合と、クラウドで動かす場合があります。

みかみさんは、プロジェクト(フォルダ)を細かく分けず、「メイン作業場」を1つだけにしています。 その中の区分けは、AIが自分でやります。 これは、性能の高いモデルでないとできない、とも話しています。

人が自分で切り替えると、間違えることがあります。 「動きが悪いと思ったら、プロジェクトを間違えていた」ということが起きるからです。 だから、作業場は1つにして、区分けはAIに任せます。

② ルールと記憶の層 :何を読ませるか 必ず覚える

ルールと記憶の層は、AIに最初に読ませる指示や、覚えておく内容です。 Claude Codeなら、CLAUDE.mdがその代表です。 Codexなら、AGENTS.mdという名前のファイルです。

動画では、ここが「めちゃくちゃ大事」と言われています。 一方で、記憶そのものは、あまり意識していない、とも話されています。 スキルも、たくさんは要らない、という立場です。

公式の説明では、CLAUDE.mdは人が書く指示、自動メモリはClaudeが自分で書くメモ、という違いがあります。 どちらも、会話の始めに読み込まれます。 つまり、「毎回初めまして」を防ぐ、最初の一手がここです。

③ ステート層 :今の状況はどこにあるか 必ず覚える

ステート層は、No.02で学んだ、今の状況を1か所に集めた層です。 ゴール、会話、顧客、数字、人の関係などが入ります。

動画では、この層を「環境の中でもキモ」と位置づけています。 ほかの層が整っていても、今の状況がなければ、AIは何から手を付けるか分かりません。

詳しくはNo.02を見てください。 ここでは、「6つの層の1つで、今の状況の置き場」と覚えておけば十分です。

第4章 層をまたいで、1回の依頼が動く

① 動き出すきっかけは3つ さらっと

みかみさんは、AIが動くきっかけを、次の3つで整理しています。

みかみさんは、リアルタイムで対応しなければならない仕事が少ないので、時刻で定期的に見回る形で足りる、と話しています。 あなたも、最初は「人が話しかける」だけで始めて構いません。

② 1回の仕事が層を通る流れ 必ず覚える

みかみさんが話しかけると、次の順番で、層が使われます。

  1. ルールと記憶を読む
  2. ステート層から、今の状況を取ってくる
  3. 作業場で作業する
  4. 結果を見て、ステート層に戻す

こうして、ステート層が、いつも最新に保たれます。 人に聞く必要が出たら、止まって待ち、返事が来たら再開します。

開発の仕事の例も、動画に出てきます。 要件はClaude Codeでまとめ、実装とレビューはCodexが行い、確認はClaude Codeが行います。 最後に、本人が見て問題なければ、本番に上げる、という流れです。

③ 使う側は、全部を知らなくてよい

みかみさんは、「下の仕組みは、知らなくても使える」と言います。 自分は作った側なので、中身を知っているだけで、使う側は話しかけるだけでよい、という説明です。

あなたも、最初から全部の層を作り込む必要はありません。 まず、6つの層を紙に書いて、「どこが空いているか」を見るだけで、最初の一歩になります。

ツールを増やす前に、環境を整える。環境は、エージェント・モデル・ツール・作業場・ルールと記憶・ステートの6つの層で見る。まず1つを使い切り、入り口は1つにする。

第5章 やってみよう

10分で、自分の事業を1つ選んで、次の表を書きます。 「今どうなっているか」を、短く書きます。分からなければ「まだない」と書いてください。

層 今、使っているもの・状態 足りないもの
エージェント層(どのAIツールか)
モデル層(どのモデルか)
ツール層(何とつながっているか)
作業場の層(どのフォルダか)
ルールと記憶の層(読ませる指示はあるか)
ステート層(今の状況の置き場はあるか)

例:Kindle出版を選ぶなら、作業場の層には「原稿用のフォルダが1つ」、ルールと記憶の層には「まだない」と書きます。 足りないものの欄には、「読者に向けた文体のルールを書く」などと書きます。

書き終えたら、6行のうち、いちばん空いている層に印を付けます。 それが、最初に整える層です。

訪問介護を選ぶ時は、利用者さんの名前など、本人が分かる情報は書かないでください。使うツールとフォルダの名前だけで、書けます。

この表は、卒業課題の(2)「AIの環境を層ごとに点検する」の、最初の下書きになります。

確認問題

問1 新しいAIツールが次々と出ています。どれを試すか迷った時、本文の考え方に近い動き方はどれですか。

問2 「毎回、AIに会社の方針を説明し直すのが面倒」という悩みがあります。本文の6つの層で、まず見直すのはどれですか。

問3 みかみさんが、作業場(プロジェクト)を1つだけにしている理由として、本文に合うのはどれですか。

出典:みかみ『【脱初心者】AIツールを増やす前に、この環境を作ってください。年商30億AI企業社長がガチで実務で使ってるAIの環境設定を公開!』(YouTube, 2026-10-04, https://www.youtube.com/watch?v=A65khoG3x1c)